鍼灸師がオススメするセルフケア、目のツボについて

こんにちは。やりたくないことは何もしたくないらっこちゃんです。確定申告の時は1時間画面を見るだけで辛いのに、好きな動画を見てると何時間でも見れちゃうあれってなんなんでしょうね?

というわけで今回は目の疲れに関するツボをお伝えします!

皆様ご存知かとは思いますが、スマートフォンやパソコンの長時間使用により、目の疲れや乾燥などの症状を訴える人が増えています。こうした症状が続くと、肩こりや頭痛、集中力の低下など、さまざまな不調に波及しかねません。そこで本記事では、鍼灸師の立場から、目の疲れに効果が期待できる代表的なツボである「サン竹(攅竹)」「合谷」「太陽」の3つを紹介し、それぞれの取り方(取穴)と押し方、1日に行う回数の目安を解説します。

ぜひ、ご自身のセルフケアに役立ててみてください。

1. サン竹(攅竹 / さんちく)

場所・取り方

サン竹は、眉頭の内側あたりに位置するツボです。具体的には、眉毛の生え始めの部分で、骨のくぼみを軽く触れたときに少し圧痛を感じるところを探してください。左右両側に存在し、目の周辺の血行を促進し、眼精疲労を軽減するうえで役立つとされています。

1. まず指の腹(人差し指や中指がおすすめ)を眉頭の付け根にあてる

2. 軽く押し当てながら、痛気持ちいいと感じるポイントを探す

3. そこがサン竹です

押し方・刺激の仕方

サン竹は目元に近いため、強く押しすぎると痛みを伴う場合があります。優しく、目の周りの皮膚をいたわるように行うのがポイントです。

• 指の腹を使って、ゆっくり息を吐きながら3~5秒ほど軽く圧をかける

• その後、力を抜いて3秒ほど休む

• これを5~10回くり返す

ソフトな刺激でもしっかりと血行促進が期待できるため、「押しすぎない」ことが大切です。

2. 合谷(ごうこく)

場所・取り方

合谷は手の甲にある代表的なツボで、全身調整や痛みに広く用いられる「万能ツボ」としても知られています。目の疲れだけでなく、頭痛や肩こりなどにもアプローチできる便利なポイントです。

1. 親指と人差し指の骨が交わる部分を探す

2. ちょうど「水かき」部分のやや人差し指寄りに押すと圧痛を感じるところがある

3. 骨と骨の間のくぼみを見つけたら、そこが合谷です

左右どちらの手でも効果が見込めますが、疲れや痛みのある側の手を重点的に刺激してみるのも一つの方法です。

押し方・刺激の仕方

合谷は比較的押しやすいツボなので、力加減を確認しながら行いましょう。

• 親指の腹をツボに当て、反対側の手で指を支えつつ、ゆっくり圧を加える

• 押す時間は3~5秒、離す時間も3~5秒を目安に

• 5~10回ほど繰り返す

合谷への刺激はやや強めでもかまいませんが、痛くて不快になるほど強圧にする必要はありません。心地よい痛みを目安にしましょう。

3. 太陽(たいよう)

場所・取り方

太陽はこめかみ付近にあるツボで、目の周囲の血行促進や頭痛の緩和にもよく使われます。パソコン作業やスマホ画面を長時間見続けた後、こめかみあたりが重い、目が疲れるというときに刺激するとスッキリ感を得られることがあります。

1. 眉尻と目尻の延長線が交わるあたり

2. こめかみを軽く触れたときに、くぼんだ箇所を探す

3. 軽く指で押してみて、ズーンとしたり痛気持ちいいポイントがあればそこが太陽

押し方・刺激の仕方

こめかみは骨が浅く、皮下組織も薄いため、過度の刺激は避けましょう。眼精疲労だけでなく、偏頭痛などにもアプローチできるツボとして知られています。

• 指の腹でツボにあて、ゆっくりと5秒ほど圧をかける

• 力を抜いて3秒ほど休む

• 5~10回繰り返す

頭部への刺激では、呼吸に合わせて行うとリラックス効果も得やすくなります。

1日3回ツボ押しを習慣に

上記3つのツボは、1日3回を目安に刺激してみてください。具体的には、以下のようなタイミングがおすすめです。

1. 朝起きたとき: 目を覚ます、1日の始まりをすっきりした気分で迎える

2. 昼休憩の合間: 午前中の作業で溜まった疲れをリセットする

3. 寝る前: リラックスしながら、その日の疲れを軽減し、質の良い睡眠を促す

長時間パソコンやスマホを使った後、または目や頭が重いと感じたときにも、短い時間で構いませんのでツボ押しを取り入れてみてください。ツボ押しは道具が必要なく、どこでも簡単に実践しやすい点が大きな魅力です。

注意点とセルフケアのヒント

• 強く押しすぎない: 特に目の周辺は皮膚が薄く敏感なので、ソフトに刺激するのが基本です。

• 清潔な状態で行う: 手や指先が汚れていると、目の近くを触れる際に感染症のリスクが高まる恐れがあります。

• 体調に合わせる: 発熱やケガなど、明らかに体の不調があるときは無理してツボを押さず、状態が回復してから行いましょう。

• 定期的な休憩も大切: いくらツボ押しをしていても、目を酷使し続けては根本的な改善につながりにくいことがあります。

こまめに画面から目を離し、遠くを眺めるなどの休憩を取り入れてください。

まとめ

目の周りのツボ押しは、道具を必要とせず、いつでもどこでも取り組みやすいセルフケアの一つです。今回紹介したサン竹(攅竹)、合谷、太陽は、目の疲れだけでなく頭痛や肩こりなどさまざまな不調にアプローチできる頼もしいポイントでもあります。1日3回を目安に、無理のない範囲で継続して試してみてください。

ただし、ツボ押しはあくまでもセルフケアの一環であり、すべての症状を完全に解消することを保証するものではありません。もし症状が長引く、または痛みが強まるといった場合には、医師や専門の鍼灸師に相談して適切なケアを受けることをおすすめします。

日常生活の中にちょっとしたツボ押し習慣を取り入れることで、目の疲れやストレスを軽減し、心身ともに快適な状態を目指していきましょう。

(参考文献)

• 『東洋医学臨床論』医道の日本社

• 『経絡経穴概説』医歯薬出版

• 日本鍼灸師会公式サイト

上記の文献をはじめ、多くの鍼灸関連書籍や論文でツボ押しの効果や位置が解説されています。ぜひ興味のある方は専門書やプロの鍼灸師に相談しながら、正しいセルフケアを取り入れてみてください。